◆価格破壊が歯医者にも間もなく到来しそうな予感がします2006年04月20日

 4月20日
 今日はある秘密兵器(?)の説明会にいって参りました。CAD-CAMシステムをご存知でしょうか?コンピュータ上で設計し、製品を作成するもので、今日ではあらゆる工業製品にその技術が応用されています。
 しかし、我が歯科界はいまだに手作業がほとんどでした。熟練した技工士が作るその出来栄えはやはりCAD-CAMによる機械製品をしのぐものでした。ところが昨今の技術の進歩は恐ろしいもので、今回世に出た「CEREC 3」は精密さが要求されるセラミックの歯の製作に関してほとんど「匠の技」に追いつこうとしています。
   しかも、従来は歯を削った後、型採りをして石膏模型を作り、その上でロウで歯の形を手で作り、その上でセラミックを真鍮に盛り成形していくという複雑な手順のところ、「CEREC 3」だと口腔内3Dカメラで写真をとり、その情報をコンピュータが判断し、あとはセラミックブロックを勝手に削ってくれます。
 その時間、削り終わってから完成まで20分。その日にうちにフィットの良いオールセラミッククラウンが出来上がってしまう様子は、まさに目からウロコの世界でした。コストも大幅に低く抑えることができます。「人件費」がないに等しいわけですから。これが何を意味するするか? 安い値段で歯と同色のオールセラミックが提供できれば、高額のためあきらめていた患者さんや、保険でキラキラ光る金属を入れていた方々には大きな福音となるでしょう。価格破壊が歯医者にも間もなく到来しそうな予感がします。