フランス・シャブリの街の話2007年09月06日

 久しぶりに会った知人と話をしていると、7月にワインで有名なフランスのシャブリの街にいってきたそうだ。
 わたしもワイン好きでしばしばワイングラスを片手にということがありますが、世界でも有名なシャブリの街の話に興味を持ち、ワインこそ口にしませんでしたが、楽しく耳を傾けて聞きました。
 彼の話によると、
「フランスのワインの産地は、大きく分けると、ボルドー地方、ブルゴーニュ地方、ロワール地方、プロヴァンス地方、アルザス地方とあって、ボルドーのワインとブルゴーニュのワインは特に有名で、
 ボトルの形状も、ボルドーワインは、いかり肩、ブルゴーニュワインは、ゆるやかな線をもったなで肩のボトルになっています。この2つのボトルの形がフランス・ワインの基本になります。
 ブルゴーニュ地方のワインの産地は、マコン、マコネ、コート・シャロネーズ、コート・ド・ボーヌ、コート・ド・ニュイ、シャブリとあって、名前にコートという言葉が出てくるのは、それは丘という意味で、ブルゴーニュ地方は、丘から丘の連続で、車から見る風景は、低いなだらかな丘陵地帯にぶどう畑がつづいている風景で、車からは走っても、走っても、いつまでもそうした同じ景色を見ることになります。
 この地方のどの街を訪ねても、フランスの地方都市というイメージで取りたてて特筆すべきことはなく、石の街、つまり、石の家の街並と街の中心に立つ教会というのが街の基本的な景観。しかし、この地方の教会というのが、1000年くらいの年代に建てられた教会が多く、日本で言えば鎌倉時代の寺院に相当し、そうした教会がある街は、何とも言えない優しい、癒される風景で、とても気持ちがいいのです。
 こうしたロマネスク教会を巡って歩く日本人の旅行者にも何組か出会いました。例えば、ヴェズレーの街やフォントネー修道院などが有名です。
 シャブリの街は、ブルゴーニュ地方でも、北に位置し、旅行書を見るとパリから急行電車で2〜3時間のところに位置している。ただ、この街を電車を利用したアクセスで行くのは不便なようです。やはり、車で行くしか無いように思います。
 丘の上の街、ヴェズレのその最も高いところに建つロマネスク時代の教会を巡り、切り立った谷に囲まれたアヴァロンの街(この街は自然の要塞のようなところで、第二次大戦で激戦の繰り広げられたところで、映画にもなっています。)を巡り、車で北西に2時間くらいいったところのシャブリの街に向けて丘陵地帯を車を走らせます。周りの景色は、ワインの産地だけあって、ブドウ畑が360度にわたって広がっています。
 シャブリの街の近くになるにつれ、家々の点在から家々が連なるようになり、「街の中心」という標識を過ぎると街並が広がります。
 世界のワインの産地なので、それなりの華やかな街並を想像しますが、田舎街の街並に少しがっかり。街の中心の近くの駐車場に車を駐車させ、街を散策しはじめるとすぐにそうした落胆した気持ちも晴れるような街並が現れました。家々の前にはブルゴーニュ地方の旗が吊るされ、風になびいて、華やかさをかもします。街並には、ワイナリーのショップが店を構えています。
 この街があの辛口の白ワイン、シャブリの街かという思いだけで感動してきます。しかしとりたてて、街には観光客が楽しくなるような店はなく、銀行、日用品のお店、小さなストアなどが街の中心に立ち並び、プラス、ワインショップが街の大きさの割には数多くあるという風景だけど、やはりあのシャブリの街であるというだけに散策に力が入ります。フランスでも特別な日に開けるワインと決めている人が多いといわれるシャブリなのですから。
 ワインショップで1000円くらいのハーフのシャブリを買い、ストアで車の中で食べるなしを3つ買ってこの街をあとにすることにします。駐車場で、車に荷物を入れ、車にキーを入れていると、向いから四駆の大きな車から運転するマダムが手を振りながら車を走らせてきます。なんだか陽気なマダムだなと思っていると、手に紙包みのものを渡してくるのです。受け取り、中を見ると、なんとさっきストアで買ったなしだった。ワインの包みといくつかの荷物を持ち、おつりをもらうだけで、なしを忘れてきてしまった。しかし、小さい街とはいえ、車で探してくれたのだ。車は勢いよく走りすぎていく。その車に「ありがとう」の言葉をかけながら、日本ではなかなかこうした親切に出合えないなと思う。こうしたちょっとしたアクシデントが旅の思い出を厚いものにすると思う。
 街を背にして車を走らせて思ったことで、このシャブリは世界のブランドだけあって、街や近郊を走る車のグレードが高い。ベンツやBMWの新しい車が非常に多く走っているのに気がついたのだ。
 近郊には、アウディ、BMW、ベンツなどのディーラーの店舗もよく目にしたように思う。」
 知人の話はここまでにします。
 わたしはヨーロッパというとなかなか行く機会がありませんが、ギリシャ、イタリア、フランスを観光するというチャンスがあれば、心躍ることだろうと思います。
 今年の夏は、いつまでも残暑がつらく、秋の涼風が待ち遠しい日々ですが、秋の行楽で日本の秋を味わってみたいと思います。
 後日談で、くだんの知人が買ってきた1000円くらいのワインのつもりだったのが、VISAの請求書を見ると6000円くらいのワインだったので、びっくりしたということだった。しかしそれはとても美味しいワインだったそうだ。

コメント

_ 飯山しもじま歯科 ― 2007年11月09日 21時50分51秒

飯山しもじま歯科の院長のブログです。

トラックバック